ホーム症例紹介1年前後で終了したケース治療期間9か月-八重歯・がたがた
1年前後で終了したケース 叢生 出っ歯

治療期間9か月-八重歯・がたがた

主訴 上顎3番の八重歯
年齢・性別 10代、女性
診断 上顎前突傾向(上顎骨の前方位傾向)、上顎前歯の重度叢生(八重歯)、下顎の軽度叢生、両側AngleⅡ級、上下正中のズレ(下顎正中の右偏位)、下顎両側8番を認める
治療期間 約9カ月
抜歯/非抜歯 部位 抜歯 上顎左右4番
治療装置 セルフライゲーションブラケット、顎間ゴム、筋機能療法(MFT)
治療の主なリスク・副作用 前歯の歯根吸収、前歯部の歯肉退縮やブラックトライアングルが生じる可能性がある、顎間ゴムによる顎関節症が生じる場合がある。
治療費用 105~110万円
症例解説

矯正治療でお子様の笑顔を守る――9か月で治療を終了したケース

お子様の歯並びに悩んでいる親御さんは多いと思います。今回は、上顎の八重歯と歯のガタガタ(叢生)が気になる10代の患者様が、約9か月という短期間で矯正治療を終えたケースをご紹介します。

治療の背景

10代半ばの本患者は、上顎の八重歯が目立ち、出っ歯も気になる状態でした。また、上下の歯のかみ合わせがずれており、全体的に矯正が必要な状態でした。このような場合、抜歯をせずに矯正を行うと歯が並ぶスペースが足りず、口元が出すぎて仕上がりが不自然になることがあります。そこで、より美しい歯並びを作るために、上顎の小臼歯(4番)を抜歯し、矯正を進めることにしました。

治療のポイント

  1. 短期間での治療を目指す工夫
     通常、上下の抜歯を伴う矯正は2.5~3年かかりますが、当院では「セルフライゲーションブラケット」という歯の動きをスムーズにする装置を使用し、さらに「スライディングメカニクス」という特殊な方法で歯を効率よく動かしました。その結果、約9か月で治療を完了することができました。

  2. 骨の成長を活かしたタイミング
     10代半ばは、骨のリモデリング(歯が動くための骨の変化)が早い時期です。そのため、大人になってから矯正を始めるよりも短期間で理想の歯並びを実現しやすいのです。特に、永久歯が生えそろった中学生・高校生の時期は矯正治療の絶好のタイミングと言えます。

治療の流れ

  • 2024年3月:矯正装置(ブラケット)を上の歯に装着し、犬歯の牽引を開始。
  • 2024年4月~7月:下の歯にも矯正装置を装着し、上下の歯をしっかり並べる治療を進める。
  • 2024年8月~10月:かみ合わせの調整を行い、前歯の位置を整える。
  • 2024年11月:治療の仕上げ段階に入り、矯正装置の除去(デボンド)を検討。
  • 2024年12月:矯正装置を外し、リテーナー(歯を安定させる装置)を装着。
  • 2025年1月:治療後の資料を採取し、経過観察へ。

治療を終えて

矯正治療は、「歯並びを整える」だけでなく、口元の印象を大きく変え、笑顔に自信を持てるようになるメリットもあります。今回のケースでは、適切な装置の選択と、骨の代謝を活かした治療計画により、一般的な矯正期間(3年前後)よりも大幅に短い9か月で治療を終えることができました。

**「うちの子も八重歯が気になる」「矯正は何年もかかるのでは?」「高校生のうちに矯正を始めたいが県外の大学に進んだ場合のことを考えると始められない」**とお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。本症例のように1年かからず矯正を終われる可能性があります。