ホーム症例紹介叢生骨格性下顎前突・顎変形症
叢生 反対咬合 開咬 外科的矯正治療

骨格性下顎前突・顎変形症

主訴 反対咬合
年齢・性別 10代、女性
診断 下顎前突(下顎骨の前方位)、前歯部開咬、上下顎前歯部叢生、両側AngleⅢ級、上顎正中の左側偏位、上顎前歯のフレア、上顎左側3番の唇側転位、上下顎両側8番の埋伏
治療期間 術前矯正1年6ヶ月、手術&入院3週間、術後矯正1年9ヶ月
抜歯/非抜歯 部位 抜歯 上顎左右4番
治療装置 唇側マルチブラケット装置 下顎骨切り術(岡山大学口腔外科施術) 矯正用アンカースクリュー
治療の主なリスク・副作用 手術の影響で知覚麻痺が起こることがある。 周囲組織の影響で後戻りを生じる場合がある。 歯根吸収や歯肉退縮の可能性がある。 下顎前歯の歯肉退縮が生じる場合がある。
治療費用 ¥保険
症例解説

反対咬合を主訴に当院を受診されました。下顎骨が大きくオトガイの偏位、前歯部反対咬合、前歯部開咬、上顎歯列の叢生を認めたため、科的矯正治療の適応と診断し術前治療を開始しました。一般的に初診時の下顎前突の患者さんは上顎前歯はフレア(唇側傾斜)&下顎前歯は舌側に傾斜しており、これは少しでもかみ合わせができるように自然とそうなっています。このまま下あごを下げる手術をしても上下の咬合が全くあわないため、上下の顎骨に対して歯列を正しい位置づけにする必要があります。これが術前矯正の目的となります。そのため手術前には一時的に反対咬合が大きくなります。本患者は術前矯正にて上顎前歯部の叢生の改善と下顎の後退量を大きくすることを目的に上顎両側4番を抜歯して、下顎は非抜歯で排列しました。そのため術前矯正中には咬合が一時的に悪化しております。術後は数か月骨が接合するのを待った後に新しい位置での咬合を緊密に仕上げていきます。これが術後矯正の目的となります。本患者は術後にわずかに上顎前突&正中のずれを認めたため、それらを改善するために上顎大臼歯部に矯正用アンカースクリューを埋入しました。顎変形症患者においては矯正用アンカースクリューの使用は保険適用となっております。外科的矯正治療後、顔貌は下顎骨が大きく後退し、口元もE-ラインが大きく改善したことがわかると思います。結果患者様には非常に満足いただくことができました。術後も保定装置を定期的に使用いただき咬合の安定を図る必要があります。